大好きな人と結婚して、子どもを出産したら、旦那さんへの愛が冷めてしまった・・・
私が出産後に感じたこと。
育児書には、産後のホルモンの変化によって、産後うつや育児ノイローゼになる人がいて、1ヶ月ほどで自然に治ると書いてあったのでその時はあまり深刻に考えていませんでした。そのうち愛情も復活するだろう、と。
でも、夫への薄れた愛情は、自然に戻るものではなかったんです。
実は、「夫への愛情が薄れてしまう」と感じているのは、産後を迎えた多くの母親たちが感じていることなんだとか。
2006~2009年にベネッセ教育総合研究所が縦断調査した結果によると、はじめての子どもを出産後の、夫婦の愛情の変化が
配偶者といると本当に愛していると実感する
妊娠期
男性 74.3%
女性 74.3%
0歳児期
男性 63.9%
女性 45.5%
1歳児期
男性 54.2%
女性 36.8%
2歳児期
男性 51.7%
女性 34.0%
という結果に。
2歳児期以降は、毎年10%ずつ愛情を感なくなるという恐ろしい結果になっています。
子どもが5歳児期になった時には、夫への愛情はほぼ0・・・。たしかに私もそんな感じでした。
2人目が欲しい時には、赤ちゃんのために子作りしていたようなもの・・・周りにもこういう人、すごく多かったです。
この調査結果を受けて、今後の大きな社会問題になるとNHKが「あさイチ」で取り上げた時に産後の夫婦の危機のことを
「産後クライシス」
と名付けました。
産後クライシスは、2012年にできた造語で、出産後に起こる夫婦関係崩壊の危機のことです。
でもなぜ、産後あんなに大好きだった旦那に愛情を感じなくなるのでしょうか。
それは、やっぱりホルモンの影響によるもの。
出産するとエストロゲンがまず減り始めます。
エストロゲンは女性らしさをつくるためのホルモンですがこれが減るので女性らしさがなくなります。
かわりに、プロラクチンとオキシトシンが増え、母親らしさが高まります。
つまり、この3つのホルモンの影響で、母親は女性から母へ、意識は夫から子どもへと身体が変化します。
さらに、授乳のために分泌されるプロラクチンが性欲を低下させるので、夫に触られたくないという状況になります。
これは、子どもを守り育てるという動物的本能ともいえます。
女性は、このようにホルモンの変化により、心身共に大きな変化が起こります。
一方、男性は出産するわけでもなく、ホルモンバランスが変わるわけではないので、今まで通り。
そして、男性は基本的に鈍感なので、女性のこういった変化にも気づきません。
さらに、育児に積極的に参加する父親のことを「イクメン」と呼ばれるようになってから、
●自分の旦那さんにも「イクメン」になってほしい
●父親だからやるのが当たり前
のような、いい父親の理想像が勝手に頭の中にできてしまっていました。
自分の身体が大変な時は、旦那にも協力してもらいたい
そう考えていたのに、
おむつ替えを頼んでもテープはゆるゆるのままで漏れてしまう
めんどくさい「うんち」は替えてくれない
ご飯を作っている時に抱っこをお願いしても赤ちゃんはないたまま
などなど、頼んだこともろくにできない旦那にイライラするばかり。
最終的には自分がやったほうが早い!
と思ってすべて自分でやってみたり。それでいて、旦那は何もやってくれないという不満ばかりが溜まっていきました。
こうやって、小さい不満やすれ違いが積み重なり、言葉でのコミュニケーションも減り、体が触れ合うスキンシップも減り、産後クライシスが引き起こされるのです。
産後クライシスになってしまった場合、いつまで続くのか、自然に夫婦仲が戻るのかと気になる所ですが、子どもが大きくなれば愛情が戻るというものでもありません。
早めに手を打たないと、旦那が浮気に走ってしまったり、別居や離婚という最悪の結果になりかねません。
私は9年間産後クライシスに悩みました。
熟年離婚が年々増えていますが、離婚したい妻の理由に
「子育て時期に、一切育児にかかわってくれなかった。協力してくれなかったから。」
という理由が上位にありました。
まさしく、産後クライシスです。
何年も何十年も心の奥深くにしまいこんだ気持ちが熟年離婚として多くの人が別れを選んでいるのかもしれません。
このことからわかるように、夫婦のすれ違いは、放っておいてもよくなることはありません。
動物や昆虫でも、メスが出産すればオスは死んでしまったり、餌になったり、産後の女性の変化は、子孫を残すための自然の摂理ともいえます。
しかし、人間には「感情」「言葉」というものがあります。
ホルモンに振り回されたままでいると、愛情は復活することはないかもしれません。
また、親が子供の前で偽りの愛をみせてしまうと、子供が将来結婚をしてから同じことを繰り返してしまうそうです。子どもは夫婦の行動、会話のひとつひとつをしっかりとみています。子どものためにも夫婦円満でいたいですね。
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